【淺野さんプロフィール】
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~きっかけは大学院在学中に参加したインターンシップ~
 学生時代から途上国の開発問題を勉強していたこともあり、国際協力の業界で働くことを最初から志望していました。また、国際開発について学んでいた大学院在学中に参加したJICA国際協力総合研修所調査研究課のインターンシップ・プログラムにおいて、職員の人柄に惹かれ、こういった方々と一緒に働きたいと思ったことも大きなきっかけとなりました。

~「特定の地域に根ざした仕事をしたい」という思いの実現~
 アフリカには元々関心があり、アフリカで仕事をしてみたいという思いがありました。
 その後、ケニア事務所で新人職員の海外OJTを経験したことをきっかけに、東アフリカ地域で仕事をしたいという気持ちが更に強くなりました。それ以降の部署においても東アフリカ地域を中心とした仕事をすることができ、JICAへ入構する前から描いていた「特定の地域に根ざした仕事をしたい」という理想に近い働き方ができています。

~結婚後の在外赴任~
 妻とはJICA同期入構の仲でしたので、国際協力の仕事に対するお互いの理解はありましたし、結婚に際して、国際協力の仕事を続けることへの心配はありませんでした。在外赴任に関しては、そのタイミングを想定しつつ、家族で一緒に行けたらと話していました。その後、ウガンダ事務所赴任直後に長女が生まれたことで、妻が育児休業を取得し、ウガンダに妻と長女を呼び寄せました。

~妻の出産と単身での在外赴任~
 妻の長女出産予定の2ヶ月前に、妻を日本に残し、ウガンダに赴任することになったため、出産前後の期間を一緒に過ごすことができず、心配もありました。長女が9ヶ月になったタイミングで家族を呼び寄せることにしましたが、それまでの期間はSkypeでコミュニケーションを取ったり、年末年始に帰国したりしていたものの、会えない期間は寂しかったことを思い出します。また出産後の大変な時期にサポートできないということに申し訳ない気持ちもありましたが、双方の両親のサポートを得られたことは大きな支えとなりました。

~家族そろっての在外赴任~
 家族を呼び寄せる際は感染症のことや、長女の身の回りの物が揃えられるかなどを気にしていましたが、ウガンダで住んでいたアパートメントにはJICA関係者が多く住んでおり、小さい子連れの家族も3~4組いましたので、そういった周りの家族に色々な情報やアドバイスを頂いた事は安心材料になりました。実際にナニー(お手伝い)さんやドライバーさんを紹介してもらうなど、JICA関係者間で助け合う関係ができていたことは、とても心強く感じました。
 家族呼び寄せ後の育児については、夫婦間で分担を決めずに、お互いに自分のできることをするようにしていました。職場が近かったこともあり、お昼に一時帰宅して一緒に昼食を食べたり、週末は家族と散歩に出かけたり、食事に行ったりと、家族での時間をゆっくりと取ることができたのは、在外勤務ならではのことではないかと思います。

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(ウガンダにて、奥さん・娘さんと共に)

~ウガンダ赴任中の妻の仕事復帰~
 私が仕事している姿を見て刺激を受けたこともあると思いますが、育児休業中に徐々に復帰したいという気持ちが妻の中で高まっていたようです。そのような時に妻がラオス赴任の打診を受けました。元々妻は東南アジアの仕事をしていたことやアフリカと比較すると日本からラオスは近くなるので、日本にいる家族のサポートも受けやすいだろう等家族で話し合い、妻は単身子連れでの赴任・職場復帰を決めました。

~ウガンダとラオスでの家族別々の生活~
 妻の赴任開始時には私も2週間休暇を取り、一緒にラオスへ行きました。長女の幼稚園を探し、一緒に生活の立ち上げを行えたことは今でも妻は心強かったと言ってくれます。私と入れ替わりで義理の両親が2週間サポートに来てくれ、またその後も義理の両親は頻繁にラオスを訪れてくれましたが、そのことも大きな支えになりました。
 赴任直後は業務の引き継ぎ等をしながら、生活環境を整える必要があるということで、忙しくなることが多いと思います。そのため赴任のタイミングで家族の助けを得る、もしくは職場と調整し、生活環境立ち上げのために休暇を取る等をされるとスムーズな生活の立ち上げにつながるのではないかと思います。

 ラオスでは所長はじめ、所内のみなさんに家庭環境を理解して頂き、ご支援頂きました。妻は主に総務班の仕事や首都近辺のプロジェクト業務を担当していました。また、お互いの同僚に理解を得ながら休暇を取得し、ウガンダとラオスを行き来していました。
 ラオスでの普段の生活は、妻が長女を幼稚園に連れて行き、16時頃ベビーシッターにお迎えにいってもらい、その後19時頃まではベビーシッターに長女の面倒を見てもらっていました。長女が体調を崩した時は、ラオスに医療環境の整った病院がなかったので、タイの病院に行くこともありましたが、お休みをもらったり時間単位で取れる休暇制度をうまく利用したりしていました。JICA関係者の方々には長女を預かってもらうこともあり、周りのサポートに沢山助けてもらいました。

 長女は、通っていた幼稚園ではラオス語、フランス語、英語を使っていましたが、ベビーシッターとはラオス語で会話するまでとても上達しました。長女は初めこそ状況がよく理解できていませんでしたが、徐々に理解できるようになり、私がラオスからウガンダへ戻るときに泣いたことがあったと記憶しています。長女も辛かったと思いますが、私もそういった長女の姿を見るのは辛く感じたことを思い出します。

~家族別々の生活に対する両親の理解と協力~
 双方の両親は国際協力の仕事に対して当初より理解がありましたし、ラオスを訪れた際に同僚と会う機会があり、JICAの職場についても理解がありました。また互いの家族や親族に対しては、日頃から仕事のことを含め話をするようにしていますので、国際協力の仕事についての理解や協力を得ることができていると思います。

~海外研修への挑戦~
 以前から課題の専門性を深めたいという希望があり、ラオスに赴任していた妻、そしてウガンダにいる自分自身の仕事の状況を考慮し、また妻と相談の上、海外研修への応募を決めました。イギリスでの研修がスタートする時点で、妻はラオスでの勤務が2年1ヶ月となっていましたが、JICAの配偶者同伴休職制度を利用させてもらい、家族揃ってイギリスで暮らすことができました。イギリスで第二子が生まれましたが、産前・産後の期間を含め、家族一緒に過ごすことができ良かったと感じています。

~日本での生活、妻の2度目の仕事復帰に向けて~
 現部署のアフリカ部では、アフリカへの出張が時折ありますので、その時は育児休業中の妻が子どもの面倒を見ています。私は10時のフレックス出勤を利用して、朝は長女を幼稚園に送ってから出勤しています。家と職場が近い在外赴任とは違い、通勤時間も長くなり、就業時間も長くなったと思いますが、業務を効率よくこなすように、また早めに帰れるようにと意識しながら仕事をしています。妻は来年度から仕事復帰する予定ですが、娘たちの学校・保育園については普段からよく話し合っています。

~今後の海外赴任の機会について~
 長女は生まれてからほとんどを海外で過ごしているので、海外生活に慣れていますし、ウガンダ、ラオス、イギリスでの生活はとても楽しかったようで、今でも時々、また行きたいと言っています。そのため今後も、家族を連れて赴任したいと考えています。

~国際協力で活躍したい人、活躍している人へ~
 ある人がこうしているからといって同じ選択をする必要はないと思いますので、ご自身や家族にとって自然な形でいられる選択をしてほしいと思います。
 私自身の経験から正直に申し上げると、子連れで単身赴任することは家族それぞれにある程度の負担がかかることではあると思います。それぞれのご家族にとって、状況、タイミングをみながら、無理をしすぎない選択をすることが必要ではないかと思います。
 国際協力はやりがいのある仕事だと思いますので、できるだけ皆さんにこの仕事を続けてもらいたいと思います。家族の仕事やライフイベントでは色々なタイミングがあり、節目節目で悩みながら、ということもあるかと思いますが、沢山の方が国際協力の仕事を続けることができるように、JICAを含め組織からのサポートが今以上に整ってほしいと願っています。